Jan. 27, 2001
環境問題と国際協調―地球温暖化を中心として―
Environment and International Cooperation
要旨Abstract
本稿は、環境問題を解決あるいは軽減するために国際間で締結されてきた国際協定を概観し、それらの特徴について議論することを目的としている。近年の環境問題は、その原因あるいは影響に関して時間的、空間的な拡がりやその強度について不確実が高いこで特徴づけられる。特に、国際間の取り決めも単に国境を越えるといった地域的な側面から、真にグローバルな側面まで境域が広がり、科学的知見の蓄積スピードや対策を実施する経済的負担等の各国間の多寡等とも相まってそれぞれの国際協調の性質を規定している。 本稿では、主として地球温暖化問題に注目し、国際協定はある時点の単一の取り決めではなく、それらが連続したものであることを確認する。更に、いわゆる“no regret policy"の危険性を理論的に示し、不十分であっても早期に協定を結ぶ必要があることを明らかにした。
This paper deals with issues of international environmental agreements ranging from cross-national to truly global ones. It is confined that each agreement is a succession of resorting to a 'no regret policy' is showed in the case of global warming and it is alleged that from a game-theoretic viewpoint there are a great deal of advantages in coming to agreements within shorter period, even for provisional accords.
書誌情報Bibliographic information
Vol. 50, No. 1, 1999 , pp. 32-43
HERMES-IR(一橋大学機関リポジトリ): https://hdl.handle.net/10086/20171
JEL Classification Codes: Q25, H41