Jul. 14, 2002
食料消費に関する篠原推計の吟味―加工食品を中心として(1923-40)―
A Revised Estimate of Food Consumption, 1923-1940
要旨Abstract
個人消費支出に関する篠原推計(LTES, vol.6)では戦前の消費支出総額(実質)のピークは1938年になっているが、食料費については年をさかのぼり1924年前後である。他方味の素、ソース・ケチャップなどの新・洋風調味料の戦前における最高消費量は1930年後半とメーカーの社史に記されている。一般的に今日のような飽食の時代は別として食料と調味料の消費量は連動・補完しているのではないかとの前提で、篠原推計をつぎのようなラスパイレス型数量指数によって吟味することが本稿の目的である。
(数式)P=食料費支出指数 po= 基準時点の金額 qo=基準時点の数量 i=支出費目 t=年 1923-25=100
篠原推計の実質金額の指数をケースAとし、篠原推計の中で数量系列の31費目(当年価格でケースAを約83%以上カバ姫―しているが)をそのまま上記数式で求めたものをケースB残りの金額系列を篠原推計で採用されていない別の資料で消費数量比を推計して、ケースBの31費目を加えた37費目でもとめたものをケースCとして三者を比較した。結果としてケースBはケースAを下回ったが、ケースCはケースAを1930年代後半で最大で5ポイント上回り、この時期の食料費支出の増加と調味料消費増の連動・補完関係を想定できた。
The purpose of this report is to try to verify a new estimation computed with following equation, over the period 1923-1940.
P=Σ{(p0iq0i/Σp0iq0i)*qti/q0i}=Σp0iqti/Σp0iq0i
P=index number of quantities,(1923-25=100), p=prices, q=quantities, i=items of foods expenditure, t=times(1923-40), i=1,2,3,…,37, t=1,2,3,…,18.
In this equation, there are 37 total food items, of which 31 items are index numbers computed with data in Sinohara, Miyahei(1967)Personal consumption Expenditure, LTES, vol. 6. The remaining 6 items are computed with data supplied by several food companies, associations of foods processing industries, and other sources. These sources are not based on estimates in LTES, vol. 6.
書誌情報Bibliographic information
Vol. 51, No. 3, 2000 , pp. 271-276
HERMES-IR(一橋大学機関リポジトリ): https://hdl.handle.net/10086/20368
JEL Classification Codes: N15