Jan. 14, 2002
地方銀行のガバナンス―地方銀行の経営に対する都市銀行の影響を中心に―
The Governance of Japanese Banks -The Influence of City Banks on Regional Banks-
要旨Abstract
メインバンク制のような銀行による企業のガバナンスについては、最近の研究でそのメカニズムが明らかになってきている。その一方で、銀行自身に関するガバナンスについては、必ずしも十分な研究が行われてきたとはいえない。この研究で、我々は、地方銀行の経営に対する都市銀行の影響について、純粋な外部株主としての立場に加えて、人材派遣等のより密接な日本的系列関係、また逆に業務提携といったビジネスライクな関係にも着目し、その関係を実証的に明らかにすることを試みる。実証結果によれば純粋な外部株主としての都市銀行との関係からは、地方銀行の経営効率への影響は認められない。都市銀行との日本的系列関係の影響も認められず、地方銀行が都市銀行を中心とした系列関係によるコントロールから独立して経営されていた可能性が明らかになった。一方、生産要素を相互に補完し合う業務提携の関係は、実証データ上の問題もあり明白には検出されなかった。
This paper empirically investigates the governance of regional banks by city banks in Japan. The authors analyze the role of city banks as pure outside shareholders of regional banks, but also examine the role of traditional Japanese Keiretsu partners. In the process of our estimation, the effects of business-oriented partnerships and the influence of the supervisory authorities, the so-called Amakudari, are controlled. The result of our analysis is that the influence of city banks as both pure outside shareholders and traditional Japanese Keiretsu partners on the productivity of regional banks is not significant.
書誌情報Bibliographic information
Vol. 51, No. 1, 2000 , pp. 40-53
HERMES-IR(一橋大学機関リポジトリ): https://doi.org/10.15057/21412
JEL Classification Codes: G21, G30