Jul. 15, 2004
政治的信頼と世代間ギャップ―政治的システム・サポートの変化―
Political Trust and Generational Difference -Changes in Political System Support-
要旨Abstract
本稿の目的は、まず第1に、日本の政治システムに対する国民の支持態度の変化を時系列に追い、またその意識構造の変化を探ることにある。次に、その政治システム支持が社会保障システムへの支持にもつながるのかを検証することである。本稿では1976年から2001年までの世論調査データを分析し、それらの仮説を検証することを主眼とした。同時に、日本人の政治意識に世代間の格差が日本の政治システム支持ならびに社会保障システムにも、さらには内閣支持率にも、影響を与えているかどうかを検証した。マクロな視点から見ると、内閣支持率の時系列変化が日本の政治システム支持の変動を説明するように見えるが、2001 年に実施した世論調査データの分析によれば、内閣支持は政治システム支持にはほとんど影響を与えていなかった。しかし、政治システム支持のある1側面は、世代とともに社会保障システムの支持に影響を持っていたことが示されたのである。
The purpose of this paper is to explore changes in Japanese attitudes toward their political system over time, and to detect the structure of those attitudes. This paper will analyze the attitudes toward political system from 1976 through 2001. These analyses have found that political system support had no effect on trust in social security system, nor did the generation difference have any effects on attitudes toward the political system. However, one aspect of system support, as well as the generational difference, had some impact on support for the social security system in Japan in 2001.
書誌情報Bibliographic information
Vol. 53, No. 3, 2002 , pp. 213-225
HERMES-IR(一橋大学機関リポジトリ): https://doi.org/10.15057/21860